頚城山塊(新潟) 老山(1730m)、笹ヶ峰(1544.6m) 2021年4月24日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:53 黒沢橋(除雪終点)−−5:28 杉野沢橋−−6:25 鍋倉谷をスノーブリッジで渡る−−7:14 1700m鞍部−−7:29 老山 7:35−−7:44 1700m鞍部 7:48−−8:00 鍋倉谷をスノーブリッジで渡る−−9:06 笹ヶ峰−−9:17 ルートミスで戻る−−9:44 林道−−9:46 黒沢橋(除雪終点)

場所新潟県妙高市
年月日2021年4月24日 日帰り
天候快晴後薄曇
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場黒沢橋先の除雪終点付近に駐車余地あり
登山道の有無老山:無し
笹ヶ峰:あり
籔の有無老山は稜線上はほとんどで雪が落ちて灌木藪漕ぎ。それ以外は未だ残雪に覆われて藪皆無
危険個所の有無老山稜線は特に東側が切れ落ちているので滑落、転落注意
山頂の展望老山:北西〜北以外は大展望
笹ヶ峰:樹林で悪い
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コメント笹ヶ峰周辺で登り残しの老山へ。笹ヶ峰駐車場周辺の残雪が極端に少なく鍋倉谷にスノーブリッジが残っているか心配だったが大きなものが残っていたし、ルート上にもずっと残雪があった。1700m鞍部へ繋がる谷は立ち木が1本も無い大雪原の斜面で快適に登れたが、1700m鞍部で稜線に乗るとほとんど雪が落ちてしまい灌木藪漕ぎ。山頂直下まではそれほど危険個所は無いが尾根が痩せて特に東側は切れ落ちた箇所が多いので注意。北や東から見ると山頂部は岩だがやや西側から巻き込むルートは岩ではなく土と灌木藪の急斜面で比較的危険度は低い。灌木藪を突っ切れば老山山頂で背びれのような平たい岩が最高点。展望は北西〜北が低い五葉松に邪魔されるがそれ以外は大展望。帰りは笹ヶ峰に立ち寄ったが読図が甘くルートミスで黒沢に下ってしまい、行き詰って尾根を登り返して予定していた谷に入って林道に出た。笹ヶ峰駐車場は山スキーヤーで賑わっていた




除雪終点に駐車 除雪終点
今年は明らかに残雪が少ない 杉野沢橋
ヒコサの滝遊歩道入口。残雪で夏道は見えない 鍋倉谷左岸を進む
鍋倉谷から見た老山。南斜面を見ているので雪が少ない 標高1280m付近より先は沢沿は歩けなくなる
アイゼン装着して左岸台地へと急登 老山に朝日が当たる
左岸台地へ出た ヒコサの滝
スキー跡。おそらく昨日のものだろう 谷分岐。スノーブリッジがありそうで一安心
大きなスノーブリッジで安心して渡れた 老山東斜面。傾斜が急すぎて危険
完全に雪に埋もれた谷を登る 大量のデブリ。さすがにこの谷を登るのはやめた
さらに遡上 デブリの谷の一本北側の谷を登ることに
クレバス。積雪は2m程度 1700m鞍部
1700m鞍部から南を見ている。藪が出ているが想定の範囲内
1700m鞍部から東を見ている
雪の残る東側は切れ落ちているので雪が使えない場面も ここは藪が特に薄い箇所。獣道あり
奥の岩が老山山頂の一角。さて登れるか? 山頂直下の岩。右手の灌木藪を登った
山頂直下の灌木藪。結構手強いが転落の危険を薄めてくれる 老山山頂部。真の山頂はさらに南(写真奥)にある
背びれのような岩が老山最高点 老山から見た天狗原山〜裏金山。五葉松が邪魔している
老山から見た北〜東〜西の展望(クリックで拡大)
老山から見た裏銀座〜後立山(クリックで拡大)
老山から南へ続く尾根。結構ヤバそう 老山直下から東斜面を見下ろす
老山山頂北東側の岩に目印あり。でも山頂より明らかに低い 目印
尾根上は笹は無いが灌木がウザい 1700m鞍部から往路の谷を下る。この先は藪は無い
快適な雪面が続く 鍋倉谷合流点付近。南には台形の地蔵山
鍋倉谷合流点 鍋倉谷を下流方向へ
台地に上がったら笹ヶ峰目指してトラバース 僅かに杉植林あり。ここだけ雪が緩い
唐松植林が広範囲に広がる 雪が消えた湿地には水芭蕉が顔を出していた
標高1400m付近。積雪は数10cmしか無いようだ 夏道があるはずの谷沿いを登るが夏道の形跡は感じられない
カモシカではなく鹿の群れが走っていた 鹿の足跡
標高1430m付近。山頂へ出る谷を登る 標高1500m付近
笹ヶ峰山頂。標識は見当たらなかった 南へ延びる尾根。夏道がある
今シーズン初の熊の足跡 夏道を伝わずにショートカットしたが方位未確認で東へルートミス
一部のみ藪が出ていた 水量多く明らかに黒沢。下流では右岸が切り立って沢沿いに進めない
仕方ないので登り返すことに 尾根を越えて一本西側の谷を下る。これが当初計画
まだ残雪が続く 林道直上でもまだ雪が続いて藪を回避
林道に出た 除雪終点。車は私のを含めて3台

・老山は影火打の西側から南に延びる大きな尾根の末端付近にある山で別名が鎧山。地形図を見ると崖マークがいくつもあって鎧の名に恥じない岩っぽい山らしい。当然ながら登山道は無いので登る人はほとんどいない。笹ヶ峰周辺は山スキーの有名どころだが、老山近辺は傾斜がきつくスキー向きの地形ではない影響が大きいだろう。その昔、北側の嘉平次岳に登った時に近くを通ったが、その当時は嘉平次岳がメインでリスクを冒してまで老山に登ろうとは考えなかった。しかしこの界隈で未踏は老山だけとなり、残り少ない残雪期を有効に使うために足を向けることにした。

・少し気合が必要そうな山なので事前にネット検索を実施。この山の記録は少なく、例のごとくDJF氏の記録が最も頼りになった。氏は嘉平次岳に登った後に稜線を辿って老山に登った後に南側へと下っていた。その場合、最後は鍋倉谷を渡る必要があるが、なんと橋が存在するという。記録は10年以上前のもので今でも橋があるのかは不明。しかし氏が下った谷は地形図を見ても急であり、記録でも雪が落ちた区間は危険となっていて使うつもりはなかった。地形図で見る限り最も安全なルートは老山北側の1690m鞍部に上がって稜線上を往復するルートだろう。氏の記録によるとその稜線にも岩場があるとのことだが、私の技量で突破できるかは現地に行ってみないと分からない。特に右目に障害を負ってからは危険箇所の通過にどの程度影響があるのか、未だヤバい所には行っていないので何とも言えない。まあ、今の状況では登れなかったら仕方ないと諦めが付くが。ついでに肋骨のひびもまだ完治しないようで未だに痛むのがいやらしい。やはり完治まで1ヵ月はかかるらしい。岩登りで右腕を高く上げて力を掛けるような動作は無理がある。

・今年の笹ヶ峰への県道開通は4/20との情報はネットで得ていたので安心して向かうことができた。天気予報では日曜日は気圧の谷と寒気の流入で日本海側は雨の予報で、標高が高いところは土曜日午後から天気が下り坂の予報。土日とも天気が良ければ久しぶりにテントを担いで他の残雪の山を考えていたが、1日だけなら老山が最適だ。金曜夜に現地入りしたが、意外にも県道には開いていたが冬季通行止めのバリケードが2か所あった。そしてもっと意外だったのが笹ヶ峰周辺の雪の少なさ。以前、同じ時期に乙見湖南側の地蔵山に登った時には車道脇には高さ1m以上の雪の壁が連続していたが、今は場所によっては地面が見えるほど。これを見て鍋倉谷にスノーブリッジが残っているか心配になった。笹ヶ峰駐車場には数台の車があったが、土曜日日中には満車状態になっていた。

・私が向かうのは火打ではないので駐車場を過ぎて県道をさらに奥へと入り、黒沢にかかる黒沢橋付近の除雪終点に駐車。こちらには車はいなかった。林道の残雪も例年より明らかに少ない。林道歩きは楽でいいだろうが鍋倉谷を渡れるだろうか。満天の星空で夜中から明け方は冷え込んだ。

・今回は危険地帯が予想されるのでマジな冬装備とし、重い12本爪アイゼンと重いピッケル。今シーズンのこれまでの雪質からしてもうワカンは不要と判断し持たなかった。アイゼンとの相性の関係で足元は登山靴とした。この靴は購入して2年程度経過するが使用回数が少なく、まだ防水は大丈夫だろうと思っていたら白山周辺の芦倉山、丸山で浸水が発覚。ゴアの通気性のメリットが無くなるが残雪期の山では防水性能の方が優先なので、登山靴には防水ワックスをたっぷりと塗り込んだ。

・日の出前、ライトが不要な明るさになって出発。気温は0℃まで下がり雪の締まりが期待できる。林道上の雪は良く締まって全く沈まないが林道上の残雪量は明らかに少なく、鍋倉谷のことが一層気になる。もしかしたらかなり上流まで行き過ぎないと渡れないかもしれない。

・杉野沢橋の入口で雪に埋もれた林道を離れて鍋倉谷方面へ。ヒコサの滝遊歩道入口の標識はあるが夏道は雪に埋もれて全く分からない。前回はここから鍋倉谷左岸台地に上がったが、今回はDJF氏が渡った鍋倉谷にかかる橋が存在するのか確認するために鍋倉谷に沿って上がっていくことにした。

・真川と鍋倉谷合流点付近には橋は無し。上流方向へ少し歩くと大きな堰堤が登場するがその周辺にも橋は無く、鍋倉谷の幅が狭まり左岸付近を歩けなくなる場所まで登っても橋は無かったし、その形跡も見当たらなかった。DJF氏が使ったのは仮設の橋だったのかもしれない。

・ここから左岸台地へは急斜面を登る必要があり、締まった雪で登山靴でもエッジが効きにくいのでアイゼンを装着しピッケルを片手に持って雪が乗った斜面に取り付く。安全を考えれば雪が消えた小尾根を登っても良かったが、やはり藪の無い雪の上の方が快適に歩けるので誘惑には勝てない。それにアイゼンもピッケルも良く効く雪質で比較的安心して急斜面を登ることができた。最後の数mだけ雪が消えていたが藪は非常に薄く、難なく左岸台地に乗ることができた。

・左岸台地は再び一面の残雪に覆われる。ここでアイゼンを脱いでもいいのだが面倒なのでそのまま歩くことに。途中、崖っぷちでヒコサの滝を見ろせる場所があったが、かなりの水量で大迫力。滝のすぐ上流と下流にはデブリの残骸と思われるスノーブリッジがあり、写真撮影すると水流の白さと区別がつきにくかった。

・ヒコサの滝を過ぎてもしばらくはゴルジュ状で流れと台地の間には崖が連続して流れの近くに下りることはできないが、標高1400m付近でゴルジュが終わって流れの近くまで平坦地が続くようになり、台地を僅かに下ってそちらへ。台地上からスキー跡が続いているが、鍋倉谷沿いを滑り降りてきたようだ。明瞭な跡でありおそらく昨日のものだろう。スキー跡の上はツルツルに凍って良く滑った。

・標高1420m付近が目的の谷の入口。ゴルジュが終わってからは水量が減ってスノーブリッジが見られる様になり、目的の谷の合流点付近には大きなスノーブリッジが残っていた。これならあと1週間程度は大丈夫だろう。

・鍋倉谷支流に入ってからは流れは全く見えず、ずっと雪の上を歩けた。嘉平次岳に登った時もこの谷を歩いたはずだが、その時の記憶は全く残っていなかった。この谷に合流する一つの谷からは大量のデブリが押し出していた。ここを登っても老山の稜線に出られるだろうが、さすがにこれを見ると怖くて登れない。実際には落ちやすい雪が既に落ちて今は安全かもしれないが。

・大量のデブリが埋め尽くした谷の一本北側の谷は、雪面が荒れず稜線まで達しているように見えたのでここを登ることにした。これで1690m鞍部に達する谷を登るよりも距離が短縮できるし、鞍部南側の1710m峰を登る必要もなくなる。立木も皆無で気持ちよく登れそうというのも大きな理由だった。登り始める前に顔に日焼け止めを塗った。今回は日焼け止めに麦わら帽子を被ったが、白山南部では帽子を被っても照り返しだけでかなり日焼けしたのでその対策だ。おかげで今週は顔や耳や鼻の穴が痛くなることはなかった。

・東を向いた谷で既に日が当たって適度に緩みアイゼンが良く効く。ピッケルを使うほどではないがザックに付け直すのが面倒でストック代わりに使った。傾斜がきついのでピッケルでも十分に役立った。途中で数個のクラックが口を開けており、覗き込むと地面まで2mくらいの深さだった。

・一時的に傾斜がきつくなり進路をやや右に振って登ると傾斜が緩まり1700m鞍部で稜線に出た。予想通り稜線は雪が落ちて藪が出ているが、まだ雪が使えそうな場所もあるのでアイゼンを履いたまま進むことにした。結果的にはアイゼンは不要だった、というよりも藪を歩くのでアイゼンが無い方が良かった。

・稜線を南下すると尾根直上と西側は雪は皆無で、雪が残るのは全て尾根の東側の雪庇の溶け残りであった。その東斜面は全体的に急傾斜で残雪を伝うにも万が一滑ったらそのまま転落してしまうので、ある程度安全と思える場所の他は藪が出た尾根上を歩いた。藪は主に矮小で細い灌木で予想に反して笹はほとんど無い。笹に対してアレルギーを持つ私にとってはいいことだが、灌木は固いので笹より漕ぐのが大変だ。

・尾根が細いので獣道があるが、藪が濃い影響か尾根直上ではなく西側を僅かに巻くように付いている場所が多い。尾根直上なら藪がまっすぐ生えているので漕ぐのも比較的楽だが斜面に付いた獣道では灌木が斜めに体を横切るので藪の抵抗が格段に大きく歩きにくい。この獣道を作ったのは灌木の枝の下を通過可能な小動物らしい。結局、灌木藪が濃い場所では獣道はあまり役立たず、獣道が無い尾根直上の藪を漕いだ。たまに藪が無い区間に出ると天国だ。

・山頂が近付くと正面に岩壁が登場。あれを登らないと山頂に立てないようだが私に登れるだろうか。さらに接近すると岩壁の右側に灌木藪が付いた急斜面があり、ここは岩が見えていないのでそこを登ることにした。

・直下に立つとあからさまに岩は見えていないが岩があるのとほとんど変わらない急傾斜で、コケとこれまでよりさらに低い灌木が覆っていた。ここに生えた灌木はこれまでとは種類が異なるようで、まっすぐ上にだけ枝を伸ばしているのではなく盛大に横に枝分かれしているので、密度が低い割に漕ぐのが大変でスピードが落ちた。でも急斜面では手掛かり足がかりとしてはとても助かる。おまけに枝(幹?)がこれまでより固く、私が足を滑らせて落ちても藪で引っかかって止まるだろう。距離は10〜20m程度と短いので許容範囲だろう。

・強固な灌木藪急斜面を登りきると予想通り老山山頂の一角だった。見た目はさほど岩っぽくないが東側はほぼ垂直に切れ落ちていて転落注意。逆に西側は低木類が生えて危険は無いが展望も悪い。最高点はここから僅かに南に進んだところにある背びれのように立った板状の岩であった。近くの低木に目印や山頂標識が無いか探したが見当たらず。ここも東側は切れ落ちて植生が無いので大展望。南〜西も展望がいいが、北西〜北方向は五葉松らしき松が生えて展望が悪い。ちょうどその方向は金山〜焼山付近であった。火打山〜妙高山(三田原山)〜地蔵山〜天狗原山は良く見えていた。南西方向には北アルプスの姿が。帰宅後に写真で確認したところ、南端は裏銀座の南真砂岳、北側は後立山の雪倉岳まで見えていた。

・真の山頂から北東方向に細長く岩尾根が延びていて、その先端付近の五葉松にピンクリボンがかかっているのが見えた。しかしここから見ると明らかに低い。まあ、大きな高さの差は無いのでこの一帯が山頂としていいだろう。

・今回は登山口からの標高差はそれほど大きくないし所要時間も2時間半ほどでさほど疲労は感じなかったので、山頂で休憩せずに下山することに。DJF氏は南へ下ったが氏が使った橋はもう存在しないことを往路で確認済みなので、私の場合は往路を戻るしかない。1700m鞍部まではアイゼンは不要なので山頂で脱いでから出発。

・相変わらず灌木藪の通過は面倒だが距離は短いので助かる。1700m鞍部でアイゼンを装着し手にはピッケルを持って谷を下る。今回使った12本爪アイゼンは重いがグリップが非常に高く、軽い10本爪アイゼンなら付けたままでもグリセード可能なのだが今回は無理。普通に歩いて下った。

・まだ時間も体力も余裕があるので、帰りは笹ヶ峰山頂に立ち寄ることにした。妙高火打の登山口は笹ヶ峰だが、それとは別に笹ヶ峰という名の山があるのだ。夏道があるので今の時期に登らなくてもいいのだが、雪がある時期なら鍋倉谷からショートカット可能。鍋倉谷を越えて左岸台地に出たら緩斜面を延々とトラバースしていく。傾斜がある尾根は全て巻けばいい。前半の大半はほとんどが唐松植林で後半は自然林。最後は登山道が右岸側にある谷筋沿いを登ったが夏道は雪に埋もれて全く存在は分からなかった。

・その谷近くを登っている最中に前方を横断する動物を発見。カモシカかと思ったら鹿だった。鹿はラッセル能力が低いので豪雪地帯で越冬できないが、雪が締まった今の時期なら歩けるようになるので雪が少ないエリアから上がってきたようだ。でもまだ地面の大半は残雪に覆われていて餌が少ないと思うが・・・・

・笹ヶ峰への夏道は1510m鞍部の北側に出るようだが、今はどこも一面の残雪で覆われていて夏道を無視して最短距離で登ることが可能。山頂に直接突き上げる谷筋を登ることにした。北向き斜面で日当たりが悪いので雪は良く締まってキックステップでかろうじて雪が切れるかどうか。登山靴のエッジで雪を切りながら斜めにジグザグに上がっていく。

・傾斜が緩むと小広い笹ヶ峰山頂に到着。意外にも山頂標識は無く雪面だけが広がっていた。周囲は背の高いブナ林で展望は良くない。ここに登った記憶は既に無いが、過去の記録を当ってみると2010年5月8日、大型連休が終わった次の週末に登っていた。この時も残雪のある時期なのでまともに夏道を歩いていないはずであるが、たぶん道はまともであろう。

・帰りに夏道を下ると遠回りになるので夏道は無視して南下して直接林道を目指すことに。僅かに尾根を南に下るとやや古い人間の足跡の他に今シーズン初めて熊の足跡を発見。大きさからして最初は人の足跡かと思ったが、5本指まで跡が残っていたので熊と判別できた。もう4月下旬なので熊が起床して当然だろう。そろそろ熊避け鈴を鳴らした方がいいかな。

・熊の足跡があった場所で地形図をよく読まないで方位も確認せず、山頂から南へ延びる顕著な尾根と左へ分岐する小さな尾根の間の谷地形を下った。この谷を山頂南側の1540m肩から落ちる谷と誤認したのだった。面倒くさがらずに方位磁石で進路を確認すれば誤りであることはすぐに分かっただろうが、核心部分の老山が終わったので気が抜けていたのだろう。

・広い谷をどんどん下っていくがどうもその先が地形図の表記とは異なり、谷の先は広がるどころか狭まっている。多少のルートミスは何とかなるだろうとそのまま下り、左手の小尾根に取り付いて少しだけ根曲竹の藪を漕いで大きな沢の右岸へ出た。この沢の水量、広さからして黒沢に違いない。このまま下流に下れば駐車箇所の黒沢橋に出られるが、悪いことに右岸側はこのすぐ下流で崖になって伝うことができない。左岸側は台地状で歩きやすそうだが、黒沢は水量が多くスノーブリッジも皆無で渡れそうな場所が全くないため、仕方なく笹ヶ峰へと登り返すことにした。まさかこんなところで余計な体力を消耗するとは思わなかった。まあ、老山だけでは体力的に物足りなかったのでちょうどいいが。

・山頂ではなくやや南に進路を振って登り返して標高1480m付近で枝尾根を越えて当初計画の谷筋へ入ることができた。こちらは地形図の表記通りちゃんと下部は緩斜面が広がっていて、見える範囲では全て雪に覆われている。今度こそはルートに間違いはない。傾斜が急な場所はギリギリで雪が残っている状況で来週には藪が顔を出しそうだが、こんな場所を歩く奴はいないだろう。

・緩やかな傾斜の植林帯を適当に下っていくと、左手は藪が出た急斜面に変わるのでやや右に進路を振ってなおも雪が残った平坦な植林帯を進むと林道に到着。地形図で読めるように黒沢橋まで僅かであった。駐車している車は私のを含めて3台に増えていたが、少なめといえるだろう。しかし笹ヶ峰駐車場は高谷池ヒュッテの営業が先週から始まっていることもあり大盛況で、スキーを担いでこれから山に入る大パーティーもいた。県道のあちこちに駐車した車が目立つが、おそらくほとんどが山スキーヤーだろう。


まとめ
 予想よりも危険個所は少なく、思ったよりもあっさりと登れてしまった。DJF氏が使った真川と鍋倉谷出合付近の鍋倉谷に架かる橋は今は存在せず、残雪期の水量では今回私が登ったルートしか登りようがないだろう。ヒコサの滝上流のゴルジュ帯より上流は水量がぐっと減るのでスノーブリッジが残っている確率は毎年高いと思われる。藪を避けて快適に歩くためには大型連休までであろう。ただし老山〜影火打を結ぶ稜線は尾根が痩せているので早い時期から雪が落ちて藪漕ぎの覚悟が必要。ただし藪の濃さも距離もそれほどではない。

 

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